top of page

送料5,400円(税込)以上で送料無料

2. クラフトチョコレートの作り方と製造過程

クラフトチョコレートは、少量生産で手作業を重視し、原材料にこだわった高品質なチョコレートです。一般的な大規模生産のチョコレートとは異なり、クラフトチョコレートは製造過程が非常に丁寧で、風味に深みと個性があります。今回は、クラフトチョコレートがどのように作られるのか、その製造過程をステップごとに詳しく解説します。

1. カカオ豆の選定と仕入れ

クラフトチョコレートの第一歩は、使用するカカオ豆の選定から始まります。カカオ豆の品質が最終的なチョコレートの味を決定するため、農園や地域、品種ごとの特徴をよく理解した上で豆を選びます。

  • 産地選び: クラフトチョコレートでは、特定の産地や農園から仕入れたカカオ豆を使用することが多く、産地ごとに風味が異なります。例えば、エクアドル産のカカオ豆はフルーティーな酸味が特徴で、ガーナ産は深いコクと濃厚な味わいがあります。

  • オーガニックやフェアトレード: 健康志向やエシカルな消費を意識する消費者に向けて、オーガニックやフェアトレード認証を受けたカカオ豆を使用することも一般的です。

2. カカオ豆の発酵と乾燥

カカオ豆が収穫された後、最初に行う工程は発酵です。発酵はカカオ豆の風味を引き出す重要な過程です。

  • 発酵: 収穫したカカオ豆をカカオパルプ(果肉と液体)と一緒に発酵させます。この発酵過程で、カカオ豆の苦味が減少し、フルーティーな風味や甘みが生まれます。発酵期間は通常、3日から7日程度です。

  • 乾燥: 発酵後、カカオ豆は日光で乾燥させます。この乾燥によって、カカオ豆の水分が抜け、保存性が高まります。

3. カカオ豆の焙煎(ロースト)

カカオ豆の焙煎は、クラフトチョコレート作りの重要なステップのひとつです。焙煎によってカカオ豆の風味が引き出され、香ばしさや甘み、苦味などが調整されます。

  • 温度と時間の調整: 焙煎温度や時間は、豆の種類や希望する風味によって異なります。低温で長時間焙煎すると、カカオの風味が丸みを帯び、苦味が和らぎます。一方、高温で短時間の焙煎は、カカオの香りを強調することができます。

  • 焙煎機の選定: クラフトチョコレートでは、小規模な焙煎機を使用することが多く、手作業で焙煎の加減を見ながら調整します。

4. カカオ豆の割り(クラッキング)と皮むき(ウィニング)

焙煎したカカオ豆は、外側の殻(ヒビ)を取り除く必要があります。この工程を「クラッキング」と「ウィニング」と呼びます。

  • クラッキング: 焙煎後のカカオ豆を軽く砕き、カカオの内側にある「カカオニブ」を取り出します。このカカオニブが、後にチョコレートの主成分となります。

  • ウィニング: クラッキングで出たカカオの殻(ヒビ)を取り除く作業です。カカオニブを皮から分けることで、純粋なカカオの部分だけを取り出します。

5. カカオニブの粉砕(グラインディング)とコンチング

カカオニブは、粉砕機で細かく砕かれ、ペースト状になります。このペーストを「カカオリカー(カカオマス)」と言います。

  • グラインディング: カカオニブを機械で粉砕し、細かいペースト状にします。この段階では、カカオの脂肪分が溶け出し、チョコレートの基盤となるリキッドが形成されます。

  • コンチング: グラインディング後、ペーストは「コンチング」と呼ばれる練りの作業に移ります。コンチングは、数時間から数十時間かけて行い、チョコレートの滑らかさと風味を向上させます。この工程で、チョコレートの細かい粒子がなめらかになり、口当たりが良くなります。

6. 砂糖や乳製品を加えて調整

チョコレートの甘さや口当たりを調整するために、砂糖や乳製品(ミルクチョコレートの場合)を加えることがあります。

  • 砂糖: 砂糖の量は製品によって異なり、ダークチョコレートでは少なめに、ミルクチョコレートではやや多めに加えられます。

  • 乳製品: ミルクチョコレートの場合は、乳製品(粉乳やクリーム)が加わります。これにより、チョコレートがまろやかでクリーミーな味わいになります。

7. テンパリング

テンパリングは、チョコレートの結晶を整える工程で、これによりチョコレートの光沢が出て、口溶けが良くなります。テンパリングが不十分だと、チョコレートの表面に白い筋(ブルーム)が出ることがあります。

  • 温度管理: チョコレートを適切な温度で加熱し、冷却しながら再加熱します。この温度管理によって、カカオバターが均等に結晶化します。

8. 型入れと冷却

テンパリング後、チョコレートは型に流し込み、冷却して固めます。型には、棒状、板状、トリュフなどさまざまな形があります。冷却は自然冷却や冷蔵庫で行います。

9. パッケージングと出荷

チョコレートが冷えて固まったら、包装やパッケージングが行われます。クラフトチョコレートのパッケージは、デザインにもこだわりがあり、製品の個性やストーリーを反映させることが多いです。

まとめ

クラフトチョコレートの製造過程は非常に手間暇がかかり、原材料の選定から最終的な包装まで、すべての工程で高い技術とこだわりが求められます。このような丁寧なプロセスによって、風味豊かで深みのあるチョコレートが生まれます。クラフトチョコレートを選ぶことで、その製造過程に込められた情熱や職人の技術を感じながら、特別な味わいを楽しむことができるのです。

bottom of page